頭でっかちに「デジタル」を徹底しようとした僕はだいぶ「アナログ」な人間なのではないかと気がつき始めた

 物を持ち歩きたくない。

 僕は財布もabrususというブランドの『小さな財布』という、インスタントカメラ(古い)の半分くらいの大きさしかない財布を使っているし、手帳や本も持ち歩きたくないと思って、google カレンダーやkindleを使いこなそうと思っていた。

 確かに「デジタル」にできるものは「デジタル」にして、持ち物をできるだけ減らしたいというのは僕の志向に適していた。

 しかし、なぜか、いつまで経ってもgoogleカレンダーで予定を管理するのは面倒に感じられるし、kindleで購入した本はほとんど最後まで読みきっていない。

 それでも僕は「google カレンダーやkindleの方がやっぱりいいよね」と思おうとしていたのだが、最近になってやっと「僕はだいぶ『アナログ』な人間なのではないか」と気がつき始めたのだ。

 「アナログ」と言うと「古い」という印象もあるが、僕の場合は、どちらかというと「物」という物体を通して考えたり把握したりすることの方が「デジタルデータ」で物事を扱うことより得意といった感じで、買い物でいえば、お店で買うとなると高額な物でも周りが驚くくらい「サクッ」と決断できるのに、ネットで買おうとすると、何時間も仕様や評判、類似商品の価格などを調べて買うことができないといった感じである。

 

 そりゃあ、スペースを取らない「デジタル」の方が「合理的」なのは間違いないんだけど、それが「アナログ」な僕自身に適しているのかどうかというのは、あまり考えたことがなかった。

 

 俯瞰して考えた時に「良い」と考えられることが、必ずしも自分にとっても「良い」とは限らないということは他にもたくさんあって、どちらの視点も持つことが大事だけど、むしろ自分自身にとって「良い」ものを探していくことの方が人生を気持ちよく生きるためには大事なことなのだと思う。

 

 おしまい